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かけた情は水に流し、受けた恩は石に刻め

「かけた情は水に流し、受けた恩は石に刻め」という言葉があり、素晴らしい人生訓だと思っていました。これは、もともと長野県上田市の真言宗叡山派の古刹前山寺の参道脇にある石柱に刻まれた言葉だそうです。

 

しかし、同じような格言が世界中に散らばっているのは偶然でしょか?

恩を受けた人は、その恩を心にとめておかなければならない。しかし、恩を与えた人は、それを覚えているべきではない』 キケロ


『恩恵を施す者はそれを隠せ、恩恵を受くる者はそれを公にせよ』 セネカ


『施して報を願わず、受けて恩を忘れず』 中根東里


『世の中で一番尊いことは、人のために奉仕して恩に着せないことです』 福沢諭吉


『幸福になりたければ、やれ恩を返せだの恩知らずだのと言わないで、人に尽くす喜びだけを生き甲斐にしようではないか』 D・カーネギー


なにも見返りを期待せずになにかいいことをしたとき、心の中がほっとぬくもるかどうか確認しよう。そのぬくもりこそが報酬だと気づくはずだ。』


リチャード・カールソン


本当に愛するとは、 駆け引きでどっちが勝つかなんてことは考えもせずに、相手に何かを与えたいと思うことだ。
 何かしたらお返しがあるはずと考えるのは、人間が未熟な証拠』 レオ・バスカリア

 

人のためにいいことをするのは、いいことでしょう。
それを、「偽善(者)」と言う人がいるかもしれません。
世の中には、そういうことを言う人もいます。そういう人の心の中には、嫉妬や劣等感のようなものがあるのではないでしょうか。


そういうことを言うのは、「相手の問題」と考えて(多少気になっても)苦にしないようにできたら、と思います。
自分で、自分の行為を「偽善ではないか?」「本当は、人のためではなく、自分のためではないか?」
など考えてしまうことがあるかもしれません。

 

人を幸福にすれば、自分が幸福になれる」も、「自分が幸福になるために、人を幸福にする」も、やること(人を幸福にする)と 結果(自分が幸福になれる)は同じです。


 人と自分の両方が幸福になれることは、とてもいいことでしょう。
「偽善?」などと考えずに、「自分が、人のために、いいことをしたければ、すればいい」
 のではないでしょうか。

 

平成29年8月10日  院長 藤田泰志

ある考察

マダニが媒介するウイルスによる感染症が相次ぐ中、去年、50代の女性がウイルスに感染していた疑いのある野良猫に手をかまれ、その後、死亡していたことがわかりました。

国内で動物から人に感染したと見られる事例は初めてで、厚生労働省が注意を呼びかけています。

マダニが媒介するウイルスによる感染症、SFTS=「重症熱性血小板減少症候群」は4年前に国内で初めて確認され、これまでに西日本を中心に266人が発症し、このうち57人が死亡しています。


SFTSは、一般的に人がマダニにかまれることで発症しますが、厚生労働省によりますと、去年の夏、西日本の50代の女性が、弱った野良猫を動物病院に連れて行った際に手をかまれ、およそ10日後にSFTSを発症して死亡したということです。
野良猫は、症状などからマダニが媒介するウイルスに感染していた可能性が高く、動物から人に感染したと見られる事例は国内で初めてだということです。


また、先月以降(6月)、ペットとして飼われている猫や犬がSFTSを発症した事例が確認され、厚生労働省は猫や犬を飼う人や獣医師などに注意を呼びかけています。

 

7月24日に上記のようなニュースが流れ私も最初は衝撃を受けました。しかし冷静になって考えたところ、これだけ多くの野良猫のオペをして猫にダニが付着しているのを見たことがありません(以前付着して落ちたのかもしれませんけど。)。以前福岡市内で動物病院を開設していたころ、夏になるとダニを付けたワンちゃんが診察によく来ていましたが、猫は記憶にありません。

 

そこで不審に思い厚労省のHPを見ても、SFTSウイルスに感染した野良猫から噛まれて女性が亡くなったとは書いてありませんし、そのような事実は明らかではありませんと書いてありました。

7月26日厚労省に電話をしてみました。担当の方は親切な方で、こういう報道になるのを危惧していたので、マスコミの方を集めて一時間ほど勉強会をしたそうです。そこで確実な真実は「犬と猫から、SFTSウイルスの抗体が発見された」ということだそうで、SFTS感染症に似た症状の野良猫が50代の女性を噛んでその後亡くなったのは事実ですが、猫が噛んでそれが原因で亡くなったかどうかの確実な証拠はないそうです。

 

でもこういう報道がなされると、地域猫、野良猫の排除が始まったり、家庭の猫が捨てられたりとベクトルが反対の方向に向かうのが、恐ろしいですね。

原因はマダニ類であって、決して野良猫ではありません。その証拠に厚労省のHPに下記の内容が掲載されています。

 

SFTSウイルスに感染し、発症したネコ及びイヌが報告されました。一般的に動物がSFTSウイルスに感染した場合、多くは症状を示さない不顕性感染すると考えられています。また、国内において、シカ、イノシシ等の野生動物や猟犬の血液を検査したところ、SFTSウイルスに対する抗体を持っている(=過去にSFTSウイルスを保有するマダニに吸血されて、SFTSウイルスに感染したことのある)動物がいることが分かっています。これまでの調査において、地域によって差はありますが、シカで0〜90%(約2,500頭を調査)、イノシシで0〜10%程度(約1200頭を調査)の抗体が検出されています。また、イヌでは0〜15%程度(約1800頭を調査)で抗体が検出されており、ネコでは約450頭中いずれも抗体は検出されませんでした。その他、ある地域のアライグマの28%(約2500頭を調査)、タヌキ、アナグマ、イタチ、ニホンザル、ウサギなどで抗体が検出されています。

 

問35 SFTSウイルスに感染したネコの事例の詳細について教えてください。

  •  
  • SFTSの流行地で飼育ネコ(室内・野外両飼育)が、発熱、消化器症状(食欲消失等)を呈しました。検査所見では、血小板減少(1万/mm3未満)、白血球減少、血清酵素異常(CPKの上昇)などが見られました。血液及び直腸スワブからSFTSウイルスが分離されました。入院2週で回復して4週後に退院しています。回復期にむけて抗体が上昇しました。このネコへのSFTSウイルスの感染様式は不明です。なお、このネコから飼い主や獣医療関係者へのSFTSウイルスの感染拡大は確認されていません。ネコの入院中の取扱はPPE(手袋・防護衣等)により感染予防措置をとり、汚物などは次亜塩素酸ナトリウム含有消毒剤により消毒しています。

上記の猫と、50代の女性を噛んだ猫とは違うのがよくわかります。

 

結論

  • マダニの0〜数パーセントがSFTSウイルスを保有し、吸血により動物が感染するが殆ど不顕性感染となり、発症しない。
  • 犬および飼育猫がSFTSに感染し発病した。(非常に稀な例である。)
  • SFTSらしき症状を示した野良猫に噛まれ50代の女性が亡くなった。(野良猫が噛んだ事と女性が亡くなった事の因果関係は不明である。)
  • イヌ→人 ネコ→人に対する感染の可能性はありますが、現在確実な証拠はありません。

 

 

8月1日  院長 藤田泰志